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2025-06-05
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ラットがヒトの手に懐く神経回路メカニズムを解明~「愛情ホルモン」オキシトシンが鍵!~
/tp/release/release_id1390.html
◆発表のポイントラットがヒトの手に懐くプロセスを支える、脳内のオキシトシン神経回路メカニズムを明らかにしました。特定脳領域(VMHvl)がオキシトシンを介して、心地よい触覚刺激の効果を仲介することを発見しました。種を超えた社会的絆形成の神経基盤を明らかにし、動物介在療法(アニマルセラピー)や愛着障害の理解に新たな視点をもたらしました。 슬롯大学院自然科学研究科博士後期課程の林姫花大学院生(研究当時。現、学術研究院環境生命自然科学学域(理)助教(特任))、学術研究院環境生命自然科学学域(理)の坂本浩隆教授(神経内分泌学)と、自治医科大学、島根大学、日本医科大学、独国ハイデルベルク大学などの国際研究グループは、ラットがヒトの手に懐くプロセスを支える脳内のオキシトシン神経回路メカニズムを明らかにしました。
本研究では、若年期〜思春期のラットの同腹仔間にみられる「じゃれあい」を模した、ヒトの手による「ハンドリング」を連続して行うと、ラットがヒトの手に強い愛着を示すようになることを見いだしました。この過程で、視床下部腹内側核腹外側部(VMHvl)のオキシトシン受容体が活性化し、それがラットの愛着行動に不可欠であることを発見しました。
実験では、ハンドリングを受けたラットは快感の証拠である50kHzで超音波発声し、自らヒトの手に近づくようになりました。また、条件付け場所選好試験においても、ラットはハンドリングを受けた場所を好むようになりました。
さらに、研究チームは薬理遺伝学(DREADDs)技術を用いてVMHvlのオキシトシン受容体を持つニューロンの機能を一時的に抑制すると、ラットのヒトの手に対する愛着行動が減少することを発見しました。加えて、解剖学的解析により、視索上核(SON)からVMHvlへの直接的な神経連絡を同定し、この神経回路がラットとヒトの手との間の愛着形成を調節していることを示しました。
この研究成果は、心地よい触覚刺激がオキシトシンを介して種を超えた社会的絆を形成するという新たな知見を提供するものであり、動物介在療法(アニマルセラピー)や愛着障害の理解、さらには新しい治療法開発に貢献することが期待されます。
この研究成果は、2025年6月5日付で国際学術誌「Current Biology」電子版に掲載されます。◆研究者からひとこと ラットがヒトの手に懐くという身近な現象の裏に、脳内の精巧な“愛着回路”が隠れていたとはっ!ふと思い返せば、どんな動物も最初は警戒心を示しますが、私たちが根気強く優しく接すると次第に懐いてくるものです。実は、人間も動物もオキシトシンという分子が紡ぐ、見えない赤い糸でつながっていたのです。
この研究は、単にラットの行動を説明するだけでなく、種を超えた絆がどのように形成されるのか、その普遍的なメカニズムに光を当てています。愛情ホルモンが仲介する脳の変化を理解することで、アニマルセラピーの効果から自閉症の新たな支援法まで、幅広い応用が期待できるかもしれません。坂本教授 ずっと不思議に思っていた「動物同士が仲良くなる仕組み」が、ほんの少し解明できたのではないでしょうか!くすぐりでさえラットの脳内化学を変えるなら、誰かと懇ろになったり、誰かに恋焦がれたりするとき、私たちの脳内でもオキシトシンが化学反応を起こしているのかもしれません…。古の詩人が言霊で表現してきた絆の神秘を、科学がようやく分子レベルで追いはじめたのかもしれません。林助教(特任)
■論文情報
論文名: Oxytocin facilitates human touch-induced play behavior in rats
「オキシトシンはラットとヒトの種を超えた絆形成を促進する」
掲載誌: Current Biology
著 者: Himeka Hayashi, Sayaka Tateishi, Ayumu Inutsuka, Sho Maejima, Daisuke Hagiwara, Yasuo Sakuma, Tatsushi Onaka, Valery Grinevich & Hirotaka Sakamoto*(*責任著者)
D O I:https://doi.org/10.1016/j.cub.2025.05.034
発表論文はこちらからご確認いただけます。
https://doi.org/10.1016/j.cub.2025.05.034
■研究資金
本研究は、日本学術振興会(JSPS)の科学研究費助成事業(#23K23919; #22H02656; #22K19332)、슬롯次世代研究拠点形成支援事業(拠点代表者:坂本浩隆)、武田科学振興財団、内藤記念科学振興財団、両備檉園記念財団、ウエスコ学術振興財団、東洋水産財団、日本応用酵素協会、슬롯次世代研究者挑戦的研究プログラム(OU-SPRING, #JPMJSP2126)からの支援を受けて実施されました。また、本論文は「슬롯 インパクトの高い国際的な学術誌へのAPC支援」を受けています。
<詳しい研究内容について>
ラットがヒトの手に懐く神経回路メカニズムを解明~「愛情ホルモン」オキシトシンが鍵!~
<お問い合わせ>
슬롯 学術研究院環境生命自然科学学域(理)
教授 坂本浩隆
助教(特任) 林姫花
(電話番号)086-251-8656
2025-06-05
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pH応答性ナノカーボンが切り拓くがん治療-バイオインターフェースの動的制御による高精度ドラッグデリバリー-
/tp/release/release_id1389.html
◆発表のポイント酸化グラフェンなどのナノマテリアルは、EPR効果を利用して腫瘍部位に集積し、がん治療におけるドラッグデリバリーシステム(DDS)への応用が期待されています。しかし、生体内では免疫系に捕捉されやすい問題があります。本研究では、グラフェン表面に親水性高分子ポリグリセロールを修飾し、pH応答性の電荷反転型ナノマテリアルを開発しました。腫瘍の酸性環境下で正に帯電し、がん細胞への取り込みを促進します。化学と生物学を融合したアプローチにより、ナノバイオインターフェースを動的に制御し、腫瘍細胞への取り込み効率を大幅に向上させました。マウス実験で腫瘍への高い集積と細胞内取り込みを実現し、副作用を回避しました。 슬롯学術研究院先鋭研究領域(異分野基礎科学研究所)のヤジュアン・ゾウ(Yajuan Zou)助教(特任)と仁科勇太教授らの研究グループは、フランス国立科学研究センター(CNRS)ストラスブール大学のアルベルト・ビアンコ(Alberto Bianco)博士との国際共同研究により、pH応答性の電荷反転型表面を有するポリグリセロール修飾酸化グラフェンの開発に成功しました。
本研究では、このナノ材料を用いて、生体内でのナノバイオインターフェース(5)の動的制御を実現し、がん細胞への取り込み効率を飛躍的に高めることに初めて成功しました。
本成果は、化学と生物学の融合によってがん治療に新たな戦略を生み出す革新的なものであり、将来的には抗がん剤の高精度なドラッグデリバリーへの応用が期待されます。
なお、本研究成果は、Wiley社が発行する学術雑誌「Small」のオンライン版にて、6月1日に掲載されました。◆研究者からひとことナノ材料のpH応答性を生体内でうまく制御できれば、がんの診断と治療を一体化した「セラノスティクス」への応用が現実的になります。さらにこの研究は、細胞内小器官の酸性環境を標的とした、より高精度な治療のためのpH応答性ナノ材料の設計にも新たなヒントを与えると考えています。Zou助教(特任)化学の視点から生物学の研究に取り組むという、普段とは異なる挑戦がとても新鮮で、楽しく取り組むことができました。Zou助教やBianco博士とは何度もディスカッションを重ね、そのたびに多くの学びがあり、最終的に論文という形にまとめることができました。2025年からはフランス国立科学研究センター(CNRS)ストラスブール大学との国際共同研究プロジェクト「IRP C3M」も本格的に始動しています。今後も、より大きな成果につなげられるよう努力していきたいと思います。仁科 教授
■論文情報
論 文 名:Polyglycerol-Grafted Graphene Oxide with pH-Responsive Charge-Convertible Surface to Dynamically Control the Nanobiointeractions for Enhanced in Vivo Tumor Internalization
掲 載 紙:Small
著 者:Yajuan Zou, Alberto Bianco, Yuta Nishina
D O I:10.1002/smll.202503029
U R L:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smll.202503029
<詳しい研究内容について>
pH応答性ナノカーボンが切り拓くがん治療-バイオインターフェースの動的制御による高精度ドラッグデリバリー-
<お問い合わせ>
슬롯異分野基礎科学研究所
教授 仁科 勇太
(電話番号)086-251-8718
2025-06-03
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リンが少ない土壌でも育つ植物のしくみを発見―根の皮層からの分泌がカギ―
/tp/release/release_id1388.html
◆発表のポイント超低リン耐性植物(リンが少ない土壌でも育つ植物)は、リン吸収を促進する有機酸や酸性ホスファターゼ(酵素)の分泌が、クラスター小根の「皮層組織」から起きていることを突き止め、根分泌を担う組織を特定した。超低リン耐性植物は、土壌からの物質侵入を防ぐスベリン外皮が形成されないため、根の皮層からの分泌物が根圏(根の周辺)土壌にスムーズに拡散され、他の植物に比べて根からの分泌能力が高いことが明らかになった。クラスター根の高いリン獲得能力を作物に応用できる可能性がある。 南西オーストラリアに自生するピンクッションハケア(Hakea laurina)は、超低リン耐性植物の一種であり、リンが少ない環境に応答してクラスター根と呼ばれる特殊形態の根を形成します。クラスター根は、通常の根と比べて細かい側根がブラシのように密集しており、根の表面積を大幅に広げることで、効率的にリンを吸収します。また、多量の有機酸や酸性ホスファターゼなどの分泌物を放出して根圏(根の周辺)土壌中のリンを吸収しやすい形に変える働きにも優れています。
これまで、こうした分泌は主に根の表皮から行われていると考えられてきましたが、根分泌能力の優れたヤマモガシ科植物においては、分泌に関与する遺伝子や、分泌が起こる細胞の詳細な場所については明らかになっていませんでした。その背景には、ヤマモガシ科植物が木本植物であるため生育が遅く、さらに分子生物学的手法の適用が限定的であったことから、研究の難易度が高かったという事情があります。そのため、根分泌に関するメカニズムは、これまで十分に解明されていませんでした。
我々は、本研究においてピンクッションハケア(Hakea laurina)のクラスター根で特異的に発現するリンゴ酸トランスポーター遺伝子HalALMT1を同定し、その働きや組織内での存在位置を詳しく調べ、酸性ホスファターゼの活性染色試験(酵素の活性を色の変化で確認する方法)を通じて、有機酸や酸性ホスファターゼの分泌がクラスター小根の皮層組織から起こっていることを突き止めました。
加えて、通常多くの植物がもつ土壌からの物質侵入を防ぐスベリン外皮が形成されないことを確認し、皮層からの分泌物が根のまわりの土壌にスムーズに拡散されることで、根分泌能の向上を図っていることを明らかにしました。■論文情報
論文誌名:New Phytologist (June 2025, Vol. 246 Issue 6, pp. 2597-2616)
論文題目:HalALMT1 mediates malate efflux in the cortex of mature cluster rootlets of Hakea laurina, occurring naturally in severely phosphorus-impoverished soil
著者:Hirotsuna Yamada, Lydia Ratna Bunthara, Akira Tanaka, Takuro Kohama, Hayato Maruyama, Wakana Tanaka, Sho Nishida, Tantriani, Akira Oikawa, Keitaro Tawaraya, Toshihiro Watanabe, Shu Tong Liu, Patrick M. Finnegan, Hans Lambers, Takayuki Sasaki, Jun Wasaki
DOI:10.1111/nph.70010
※本研究の論文掲載にあたり、広島大学からの投稿費用(Article Processing Charge, APC)の助成を受けました。
<詳しい研究内容について>
リンが少ない土壌でも育つ植物のしくみを発見―根の皮層からの分泌がカギ―
<お問い合わせ>
〈研究に関すること〉
広島大学大学院統合生命科学研究科 教授 和崎 淳
Tel: 082-424-2048
広島大学大学院統合生命科学研究科 特任助教 山田 大綱
Tel: 082-424-2048
西オーストラリア大学 名誉教授 Hans Lambers
슬롯学術研究院先鋭研究領域(資源植物科学研究所) 准教授 佐々木 孝行
Tel: 086-424-1661
北海道大学 大学院農学研究院 准教授 渡部 敏裕
Tel: 011-706-2498
山形大学学術研究院(農学部担当) 教授 俵谷 圭太郎
Tel: 0235-28-2870
〈報道に関すること〉
広島大学 広報室
西オーストラリア大学
슬롯 総務部広報課
北海道大学 社会共創部広報課
山形大学 秘書広報室
2025-05-27
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슬롯で開発した針穿刺ロボットを使ったがんの低侵襲治療(CTガイド下IVR)の治験完了~医師の被ばく問題解消へ~
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◆発表のポイント슬롯で開発したがんの低侵襲治療(CTガイド下IVR※1))に用いる針穿刺ロボットを用いて、医師主導治験を行いました。ロボットを用いた針の穿刺は全例で成功しました。ロボットを用いることで、医師は放射線による被ばくをすることなく、従来の医師の手で行う場合と遜色のない精度で針の穿刺ができることが示されました。 슬롯学術研究院医歯薬学域(医)放射線医学の平木隆夫教授、学術研究院環境生命自然科学学域(工) の亀川哲志教授、松野隆幸教授、学術研究院医療開発領域新医療研究開発センター(슬롯病院)の櫻井淳教授らのグループは、がんの低侵襲治療(CTガイド下IVR)に用いる針穿刺ロボットを開発し、それを用いた医師主導治験を行いました。これらの研究成果は4月4日、米国の放射線医学雑誌「Radiology Advances」にResearch Articleとして掲載されました。
治験においては、ロボットを用いた針の穿刺が全例で成功しました。また、ロボットを用いることで、医師は放射線による被ばくをすることなく、従来の医師の手で行う場合と遜色のない精度で針の穿刺ができることが示されました。すなわち、슬롯が開発したロボットにより、従来の医師の手で行うがんの治療の成績を落とすことなく、長年の社会問題の一つである「医師の職業被ばく」の問題が解消される可能性が示唆されています。◆研究者からひとこと슬롯の医工連携により2012年から開発してきたロボットで、社会問題が解決される可能性を示すことができ、これまでの苦労が報われる思いです。治験に参加してくださった患者さんなど全ての関係者の皆さまに感謝申し上げます。今後は、ロボットの機能をさらに進化させて、従来のがん治療の成績の向上につなげて、患者さんにもメリットのあるロボットにしたいと考えています。また実用化に向けてもまい進していきます。平木 教授
■論文情報
論 文 名:Comparison of robotic versus manual needle insertion for CT-guided intervention: prospective randomized trial
掲 載 紙:Radiology Advances, 2025, 2(2), umaf010
著 者:Takao Hiraki, Yusuke Matsui, Jun Sakurai, Koji Tomita, Mayu Uka, Soichiro Kajita, Noriyuki Umakoshi, Toshihiro Iguchi, Michihiro Yoshida, Kota Sakamoto, Takayuki Matsuno, Tetsushi Kamegawa
D O I:org/10.1093/radadv/umaf010
U R L:https://doi.org/10.1093/radadv/umaf010
■研究資金
本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)革新的がん医療実用化研究事業 (課題番号:19ck0106489h0001, 20ck0106489h0002, and 21ck0106489h003)の支援を受けて実施しました。
<詳しい研究内容について>
슬롯で開発した針穿刺ロボットを使ったがんの低侵襲治療(CTガイド下IVR)の治験完了~医師の被ばく問題解消へ~
<お問い合わせ>
슬롯学術研究院医歯薬学域(医)放射線医学
教授 平木 隆夫
(電話番号)086-235-7313
2025-05-27
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小分子エスクレチンが脂肪組織マクロファージの貪食活性を高め、食後脂質のクリアランスを加速~テラヘルツ波ケミカル顕微鏡が明らかにした脂肪代謝の新メカニズム~
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◆発表のポイント本研究は、中国・厦門大学附属病院との国際共同研究により実施されました。テラヘルツ波ケミカル顕微鏡(TCM)を病理研究のツールとして応用し、従来は主にテラヘルツ・センサー分野で活躍していたTCMの新たな可能性を示しました。脂肪組織における食後脂質の動態と貪食の仕組みについて、分子・細胞・組織レベルで多面的に解明しました。 슬롯学術研究院ヘルスシステム統合科学学域の王璡(WANG Jin)准教授は、医療機器医用材料部門先端医用電子工学研究室(AEMT)において、中国・厦門大学附属病院との共同研究により、脂肪組織マクロファージ(ATM)による食後脂質処理の新たな分子メカニズムを明らかにしました。
本研究では、天然由来の小分子化合物「エスクレチン」が、転写因子C/EBPβに直接結合し、スカベンジャー受容体CD36の発現を高めることで、ATMによる食後脂質の貪食作用を促進することを発見しました。これにより、HDLコレステロール生成が促進され、胆汁酸排泄経路が活性化されることで、食後の血中脂質クリアランスが加速されることが示されました。
本研究の大きな特徴は、分子レベルでの相互作用の可視化に、テラヘルツ波ケミカル顕微鏡(TCM)を活用した点です。これまでTCMはテラヘルツ・センサー分野での応用が主でしたが、今回は病理研究ツールとしての新たな有効性を示しました。TCMにより、エスクレチンとC/EBPβの直接結合を非侵襲的に観察することに成功し、従来技術では捉えきれなかった薬剤–転写因子間の相互作用を明確に可視化しました。
本成果は、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の一環として得られたものであり、科学雑誌『Theranostics』(Q1、インパクトファクター12.4)に2025年4月28日に掲載されました。◆研究者からひとこと脂肪を“ためる”だけではなく、“処理する”脂肪組織マクロファージの役割が、今回の研究で新たに浮き彫りになりました。テラヘルツ波ケミカル顕微鏡によって、分子間相互作用が可視化され、食後代謝を制御する新しいメカニズムの扉が開かれたと感じています。王 璡 准教授
■論文情報
論 文 名:A small molecule esculetin accelerates postprandial lipid clearance involving activation of C/EBPβ and CD36-mediated phagocytosis by adipose tissue macrophages
掲 載 紙:Theranostics 2025, Vol. 15, Issue 12, pp. 5910–5930
著 者:Gang Wang, Zhaokai Li, Wei Ni, Heng Ye, Yang Liu, Linjian Chen, Lin Wang, Changjiang Liu, Jingyu Chen, Xuchao Wang, Xue Ding, Longshan Zhao, Xiaofeng Ge, Yan Wang, Yuanchao Ye, Toshihiko Kiwa, Linghe Zang, Jin Wang*, Cuilian Dai*, Binbin Liu*
D O I:https://doi.org/10.7150/thno.110207
<詳しい研究内容について>
小分子エスクレチンが脂肪組織マクロファージの貪食活性を高め、食後脂質のクリアランスを加速~テラヘルツ波ケミカル顕微鏡が明らかにした脂肪代謝の新メカニズム~
<お問い合わせ>
슬롯学術研究院 ヘルスシステム統合科学学域
准教授 王 璡
(電話番号)086-251-8129
2025-05-26
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DNA解析によりスズメバチの多様な食餌の習慣が明らかに―蜂飼育者の餌選択における経験知に科学的裏付け―
/tp/release/release_id1385.html
슬롯사이트 神戸大学
슬롯사이트 슬롯◆ポイントシダクロスズメバチ(Vespula shidai )が食べている獲物を DNA メタバーコーディングで解析し、野生巣および飼育巣から、昆虫やクモに加えて鳥類・哺乳類・両生類・爬虫類・魚類を含む324 種の餌生物種を特定し、多様な食餌の習慣を明らかにした。多くの蜂飼育経験者が野生下で蜂がこれらの脊椎動物を食べているのを実際に観察しており、学術的知見に先んじて脊椎動物を与える飼育を実践してきた。本研究は、こうした飼育方法の妥当性をDNA分析で裏付けることとなった。「蜂の子」の味について、飼育経験者の 58% が「野生巣産と飼育巣産では味が異なる」と回答し、その理由として「与える餌の違い」が挙げられた。 神戸大学大学院人間発達環境学研究科の佐賀達矢助教と슬롯学術研究院環境生命自然科学学域の藤岡春菜助教は、長野県や岐阜県などで「蜂の子」として広く食べられているシダクロスズメバチが、鳥類や哺乳類を含む脊椎動物を捕食していることをDNA解析により明らかにしました。
これらの地域では、蜂を捕り、飼育し、食べる文化が根付いていますが、餌に関する実態ははっきりと分かっておらず、また人間によって飼育された蜂と野生で採取された蜂の食性の違いはほとんど知られていません。そこで、野生巣と飼育巣において蜂の餌生物種を DNA メタバーコーディングで解析したところ、昆虫・クモ・鳥類・哺乳類・両生類・爬虫類・魚類など計 324 種の餌生物が同定されました。また、飼育巣と比較して、野生巣では野生の脊椎動物の餌の多様性が有意に高いことも明らかになりました。これは、人間が供給する肉(鶏肉や鹿肉など)で飼育することが、自然な採餌を一部置き換える可能性を示唆しています。
さらに、飼育経験者の餌生物種の認識および味覚評価との関連をアンケート調査した結果、多くの蜂飼育経験者が野生下で蜂が脊椎動物を食べているのを目撃した経験があり、地域の愛好家たちが学術的な知見に先んじて、自らの経験や知識によって鳥類や哺乳類を飼育時に餌として与えていたことの妥当性をDNA解析から証明しました。また、飼育経験がある回答者ほど野生産と飼育産で味に違いがあることを認識しており、その理由は、与えられた餌の違いが挙げられました。
本研究は、地域に根ざした昆虫食文化の合理性と知識体系の一端を明らかにするものです。また、「蜂の子」を貴重な食料資源として持続的に利用するために、科学に基づく学術研究と、愛好家による飼育戦略や文化的慣行との間で知見を往還させることで、「蜂の子」に関する食文化および飼育文化を洗練させていくことの重要性も示しています。
この研究成果は、5月14日に「Journal of Insects as Food and Feed」に掲載されました。■論文情報
タイトル
“Unraveling the dietary ecology and traditional entomophagy of Vespula shidai in Central Japan: Insights from DNA metabarcoding and local practices”
DOI:10.1163/23524588-bja10201
著者
佐賀達矢(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)
藤岡春菜(슬롯学術研究院環境生命自然科学学域)
掲載誌
Journal of Insects as Food and Feed
<詳しい研究内容について>
DNA解析によりスズメバチの多様な食餌の習慣が明らかに ―蜂飼育者の餌選択における経験知に科学的裏付け―
<お問い合わせ>
< 研究について >
■神戸大学大学院人間発達環境学研究科人間環境学専攻
助教 佐賀達矢
TEL:078-803-7744
< 報道担当 >
■神戸大学総務部広報課
TEL:078-803-5106
■슬롯総務部広報課
TEL:086-251-7292
2025-05-23
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性的傾向が指に現れる?〜ラットの指の長さが行動のカギに
/tp/release/release_id1384.html
◆発表のポイントラットにおける指の長さが性的活発性の指標になることを発見しました。第2指(人差し指)が短いオスのラットは性的に活発で、メスの匂いに対する明確な選好性を示しました。子宮内ホルモン環境を反映する形態学的特徴が、脳の性分化と性的活発性に影響することをラットで初めて明らかにしました。 슬롯大学院自然科学研究科博士後期課程の林姫花大学院生(研究当時。現、学術研究院環境生命自然科学学域(理)特任助教)、学術研究院環境生命自然科学学域(理)の坂本浩隆教授(神経内分泌学)の研究グループは、ラットにおいて第2指(人差し指)と第4指(薬指)の長さの比(2D:4D比)1)が性的活発性の指標となることを世界で初めて明らかにしました。
2D:4D比は、胎児期の男性ホルモンへの曝露(アンドロゲンシャワー)2)の程度を反映する形態学的指標として知られており、ヒトの手では男性で有意に小さい値を示す性的二型3)です。
本研究では、ラットの前肢においても、オスはメスよりも第2指が短く、オスで小さい2D:4D比を示し、これはヒトと一致していることがわかりました。性的活性と2D:4D比の関係を調べたところ、初回の性行動テストで射精に至ったオスは、射精に至らなかったオスに比べて第2指が有意に短いことが判明しました。さらに、第2指の長さで群分けを行い、性行動を比較した結果、第2指が短いオスは第2指が長いオスよりも性的に活発であることが明らかになりました。また、第2指が短いオスのみがメスの匂いに対して明確な選好性を示しました。これらの結果は、子宮内ホルモン環境を反映する形態学的特徴が、脳の性分化と性的活性に影響することをラットで初めて明らかにしたものです。本研究は、ラットの第2指の長さが性的活性や選好性を反映する有用な形態学的指標であることを示し、今後、性的指向性の神経生物学的メカニズムの解明にも貢献することが期待されます。
この研究成果は、2025年5月14日付で国際学術誌「Experimental Animals」電子版に掲載されました。◆坂本教授からのひとこと 指先をみるだけで行動傾向がわかる時代が、ついに到来したかもしれません。古くから手相占いでは手のシワや形から性格を読み解こうとしてきましたが、今回は「指の長さ」という客観的な指標から、性的活発性の傾向が予測できる可能性が科学的に示されました。
動物実験の成果がヒトの理解へとつながる——その過程で、指がまさに「指し示す」道のりはまだ長いかもしれませんが、本研究がその「指南役」となれば幸いです。ただし、指の長さだけで個人を判断するのは早計です。研究室では常に『指をみて人を見ず』とならぬよう、肝に銘じています(笑)坂本教授◆林特任助教からのひとこと 匂いに対する性的選好性や性行動の活発さは、行動テストをするまでわからないと思っていましたが、ラットでも「指先」をみるだけである程度の予測ができるとわかりとても驚きました。生まれる前のホルモン作用と成熟後の性的活発性の両方が反映されている指は、性的多様性を理解するための重要な手(指)がかりになりそうです。林 特任助教
■論文情報
論文名: Sexual activity is predicted by digit ratio in rats
「ラットにおいて指の長さは性的活発性の指標となる」
掲載誌: Experimental Animals
著 者: Himeka Hayashi & Hirotaka Sakamoto*(*責任著者)
D O I: https://doi.org/10.1538/expanim.24-0159
発表論文はこちらからご確認いただけます。
https://doi.org/10.1538/expanim.24-0159
■研究資金
本研究は、日本学術振興会(JSPS)の科学研究費助成事業(#23K23919; #22H02656; #22K19332)、슬롯 次世代研究拠点形成支援事業(拠点代表者:坂本浩隆)、武田科学振興財団、内藤記念科学振興財団および슬롯次世代研究者挑戦的研究プログラム(OU-SPRING, #JPMJSP2126)からの支援を受けて実施されました。
<詳しい研究内容について>
性的傾向が指に現れる?〜ラットの指の長さが行動のカギに
<お問い合わせ>
슬롯 学術研究院環境生命自然科学学域(理)
教授 坂本浩隆
特任助教 林姫花
(電話番号)086-251-8656
2025-05-23
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宇宙実験の基盤となる実験「キンギョのウロコを長期間・細胞活性を保ったまま保存」に成功
/tp/release/release_id1383.html
金沢大学
슬롯
立教大学
文教大学 金沢大学環日本海域環境研究センターの鈴木信雄教授、슬롯の池亀美華准教授、立教大学の服部淳彦特任教授と丸山雄介助教、文教大学の平山順教授を中心とした共同研究グループは、キンギョ(Carassius auratus)のウロコ(図1)を0.1%の次亜塩素酸で滅菌後、培地を交換せずに1週間以上低温(4℃)で保管しても、ウロコに存在する骨芽細胞と破骨細胞の活性が維持され、重力にも応答することを証明しました。
予備的な実験により、同技術を用いて3週間以上の間、培地交換無しの条件でキンギョのウロコの細胞活性を維持できることも確認しています。今回の成果により、ロケットの打ち上げ射場でキンギョを飼育し、ウロコをパッキングする必要がなくなり、日本でパッキングしたウロコを低温で維持し、NASAなどの射場に運ぶことが可能となります。さらにロケットの打ち上げの予期せぬ遅延にも対応できます。本研究により、宇宙実験の技術的な側面に大きく貢献することが期待されます。
本研究は、2024年度からJAXA宇宙科学研究所 宇宙環境利用専門委員会の公募事業(2024年度フロントローディング研究)の助成を受け、実施しています。さらに、2025年度フロントローディング研究にも採択され、今後、本研究成果を活用した、国際宇宙ステーション(ISS)での宇宙実験を企画しています。
本研究成果は、2025年4月7日にアメリカの国際学術誌『Life Sciences in Space Research』のオンライン版に掲載されました。■論文情報
論文名:Goldfish regenerated scale culture at low temperatures improves osteoblast and osteoclast survival in scales without loss of the osteoblast and osteoclast response to changes in gravity
(低温でのキンギョの再生ウロコ培養は、重力の変化に対する骨芽細胞と破骨細胞の反応を失うことなく、ウロコの骨芽細胞と破骨細胞の生存を高める)
掲載日:2025年4月7日にオンライン版に掲載
2025-05-23
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指定難病“特発性多中心性キャッスルマン病”の病態形成に深く関わる遺伝子群を同定
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◆発表のポイント指定難病“特発性多中心性キャッスルマン病(iMCD)”の一亜型である“iMCD-TAFRO”はしばしば致死的な経過をたどる、まれなリンパ増殖性疾患です。この疾患は近年まで確立された診断基準が存在せず、病態の解明が進んでいません。病理組織所見と遺伝子発現の解析を組み合わせ、病態に深く関与する遺伝子群を同定しました。本成果は、iMCD-TAFROの新規治療法の開発に大きく寄与すると期待されます。 슬롯大学院保健学研究科分子血液病理学の原武朋加大学院生、学術研究院保健学域の西村碧フィリーズ講師、佐藤康晴教授らの研究グループが、特発性多中心性キャッスルマン病(iMCD)の病態に深く関与する遺伝子群としてPI3K-Aktシグナル伝達経路を同定しました。本研究は4月23日、「Modern Pathology」のオンライン電子版に公開されました。
iMCDは、全身のリンパ節の腫れや発熱といった全身症状を引き起こす原因不明の疾患です。中でも、iMCD-TAFROは血小板減少・胸腹水貯留・発熱・骨髄線維症・腎機能障害・臓器腫大といった重篤な症状を呈し、死に至ることもあります。この疾患の原因や病態は不明で、確立された治療法もないのが現状です。今回同定された遺伝子群が、iMCD-TAFROの研究に関わる世界各国の多くの関係者に広く認知されることにより、より深い研究が行われることで、詳しい病態解明やより良い治療法の開発につながり、この疾患で苦しむ方々の役に立つことが期待されます。◆研究者からひとことiMCDは非常にまれで不明な点が多く、未だ研究の余地が多く残されている疾患です。今回同定した遺伝子群を多くの方々に知っていただくことで、よりこの疾患に関する研究・理解が加速していくことを願っています。原武大学院生西村講師本研究内容がきっかけとなり、最適な治療法開発を含めた研究が進むことで、iMCD-TAFROで苦しむ患者さんおよびそのご家族の希望となることを願います。
■論文情報
論 文 名:The involvement of PI3K–Akt signaling in the clinical and pathologic findings of iMCD-TAFRO and NOS subtypes.
掲 載 紙:Modern Pathology
著 者:Tomoka Haratake, Midori Filiz Nishimura, Asami Nishikori, Michael V Gonzalez, Daisuke Ennishi, You Cheng Lai, Sayaka Ochi, Manaka Tsunoda, David C Fajgenbaum, Frits van Rhee, Shuji Momose, Yasuharu Sato.
D O I:10.1016/j.modpat.2025.100782
U R L:https://doi.org/10.1016/j.modpat.2025.100782
■研究資金
本研究は、科学研究費補助金(23K1447605, 24KK0172, 25K02476)と厚生労働科学研究費補助金(23FC1025)、日本医療研究開発機構 難治性疾患実用化研究事業「統合レジストリを活用したキャッスルマン病・TAFRO症候群における精密医療基盤の構築を目指す実用化研究」の支援を受けて実施しました。
<詳しい研究内容について>
指定難病“特発性多中心性キャッスルマン病”の病態形成に深く関わる遺伝子群を同定
<お問い合わせ>
슬롯学術研究院保健学域 分子血液病理学
教授 佐藤康晴
(電話番号)086-235-7424
(FAX)086-235-7156
2025-05-22
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長期入院を要する子どもたちに学ぶ機会の充実を!~슬롯病院小児科とベネッセコーポレーションが共同研究契約を締結~
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岡 山 大 学
株式会社ベネッセコーポレーション◆発表のポイント슬롯病院小児科と株式会社ベネッセコーポレーションは、長期入院患者に対する教育支援の最適化を目的として共同研究契約を締結しました。슬롯病院小児科では、ベネッセが提供する「進研ゼミ」タブレット教材を活用して、長期入院する患児に対する教育機会を拡大するとともに、将来の社会復帰やQOL向上につながる支援体制の構築を目指します。 슬롯病院小児科には、長期入院を要する難治の患者さんが多数入院されています。슬롯病院には院内学級が設置されており、こうした長期入院を要する子どもたちは、学習機会の保障という点では非常に恵まれた環境にありますが、学年や学力、治療状況に応じた個別最適な学習支援、さらに意欲の維持・向上を図る仕組みの構築など、さらなる充実が求められているのが現状です。こうした背景を踏まえ、슬롯病院小児科は、子どもたちの教育的・社会的ニーズに応えるべく、株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市北区)と共同研究契約を締結しました。
本共同研究では、ベネッセが提供する「進研ゼミ」タブレット教材を用いて、入院中の子どもたちに個別に応じた学習支援を行います。
今後は教育学部や情報科学分野と連携し、学習支援の中で得られた記録を用いて、学習中の子どもたちの活気や意欲を分析する研究も計画しており、教育支援の最適なタイミングや方法の確立を目指しています。
この取り組みにより、長期入院を余儀なくされる子どもたちの「学ぶ権利」を守り、将来の社会復帰やQOL向上につながる支援体制の構築が期待されます。◆研究者からひとこと・学術研究院医療開発領域(슬롯病院)小児血液・腫瘍科 助教 石田 悠志普段は小児がんの患者さんを診療しています。この共同研究は、医療と教育、そしてテクノロジーが連携し、長期入院を余儀なくされる子どもたちの学びと成長を支える新たな仕組みを構築する重要な一歩です。長期入院中でも、学ぶ意欲を保ち、自分らしさを失わずにいられる環境づくりを目指しています。石田 助教・株式会社ベネッセコーポレーション 塾・教室カンパニー 担当 後藤 渉ベネッセの企業理念『よく生きる』のもと、学びを通じて、子どもたち一人ひとりが持つ多様な可能性を広げられる環境を提供する取り組みをしています。この共同研究に参画し、長期入院を余儀なくされている子どもたちの気持ちを大切に、個別最適な学習の機会をご提供すると共に、これまで医療側にかかっていた負担の改善にも寄与できる取り組みとしたいと考えています。後藤 渉・学術研究院医歯薬学域(医) 小児医科学 教授 塚原 宏一슬롯病院小児科では、病気の治療と同じくらい、子どもたちの“今”の生活を大切にすることを重視しています。今回の取り組みによって、長期入院中の子どもたちが学びを通して自分の可能性を育み、それを実現させられる環境を提供できることを嬉しく思います。教育支援を通じて、医療と社会をつなぐ新しい価値を生み出したいと考えています。塚原 教授・学術研究院医療開発領域(슬롯病院) 小児科 助教 鷲尾 佳奈日々診療の中で、子どもたちが“勉強したい”“みんなと同じように学校に行きたい”という思いを抱いていることを実感しています。この研究は、そうした子どもたちの声に寄り添うものです。病気と向き合いながらも、自分のペースで学び続けられる環境があることは、子どもたちにとって大きな支えになります。医療者としても、教育という視点を大切にした診療を心がけていきたいです。鷲尾 助教
<詳しい研究内容について>
長期入院を要する子どもたちに学ぶ機会の充実を!~슬롯病院小児科とベネッセコーポレーションが共同研究契約を締結~
<お問い合わせ>
슬롯学術研究院医療開発領域(슬롯病院)
小児血液・腫瘍科 助教 石田 悠志
(電話番号)086-235-7249 (FAX)086-221-4745
2025-05-22